コンサートホールのひびき

 NHKホールの開館は1973年。初めてホールにパイプオルガンが設置されました。楽友協会ホールに見られるようにヨーロッパのホールは正面にオルガンが設置されるのが一般的、それとオルガン=パイプオルガンは小さな村の教会にも大抵置かれています。当時我々はパイプオルガンという楽器も音楽の教科書に絵で載っていた程度のものですから披露された時には感動ものでした。NHKホールは多目的ホールとして使用できるよう舞台上手上部に造られています。このホール、日本の優れた音響技師が世界中のホールをまわり確かなデータを元に当時では最も理想的な音響設計で造ったのですが、当初プレイヤーは響きへの不満でいっぱいでした。響き過ぎるというのです。その後暫くしてベルリンフィルがカラヤンと来日しカラヤンの「Wunderbar!!」の一言でそれまでのホールの概念をくつがえしてしまいます。当時はできる限り無反響室に近い状態がベターだったのですから・・・新しく作られた音楽室にも絨毯が敷かれていました。騒音源のような扱いだったのでしょうね。普通教室の方がよく響きます。日本の生活環境は畳、障子、襖なので響き(跳ね返りの倍音)に無縁だったということのようです。倍音の中で演奏する快感を体得すると音程もどんどん良くなりますよ!

                                                               Dirigent    Ein Brief von Kumasann 10.Feb.2018

0コメント

  • 1000 / 1000